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デジタルノマドビザ導入によるインバウンド市場の変化

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JNEWS会員配信日 2024/2/13

 日本を訪れる外国人はコロナ前の2019年には年間で3188万人だったが、2023年は2500万人にまで戻ってきた。JTBの予測では2024年にはコロナ前を上回る3310万人にまで増えるという見通しだ。これら外国人の、日本での滞在日数はコロナ前には1週間以内が6割を占めていた。

《訪日旅行者の滞在日数(2019年)》

しかし、訪日旅行者の平均滞在日数は長期化していく傾向にあり、2023年の平均泊数は12.7泊、国籍別では中国人が平均65泊と最も長い。これは、業務目的の訪日が増えているためで、展示会や見本市、国際会議への参加、ミーティング、研修など、仕事を目的とした訪日者ほど滞在日数は長くなっている。

《国籍別の平均宿泊数(2023年1~3月期)》

訪日外国人の消費動向(JNTO)

業務目的とはいえ、滞在中は食事や観光もするため、国内経済にとっては恩恵があり、今後のインバウンドビジネスでは、仕事を兼ねた外国人旅行者を誘致することが重要戦略となっている。ただし、就労目的(日本で賃金を得ること)の外国人は、国内の雇用を侵食するため、自国での収入源が確保されている状態で、日本に滞在する外国人がターゲットになる。

この条件に当てはまるのが、国際的なリモートワーカー、ノマドワーカーに該当する層である。日本政府は、海外企業に勤めるITエンジニアや独立したフリーランスなど母国とのリモートワークが可能な人材を「デジタルノマド」と捉えて、新たな在留資格を与えるための法改正を準備して、パブリックコメントの募集(意見公募)を2024年2月から開始している。

従来の訪日旅行者は、観光目的の他、出張や会議など報酬を伴わない業務目的でも、滞在日数の上限が最長90日間までと短い。これに対して、デジタルノマド人材には、1年間のうち最長6ヶ月までの在留資格を与える計画だ。そこに合致する人材として以下の条件を挙げている。

《デジタルノマドの条件(案)》
・国際的なリモートワークを日常的に行う者と、その家族。
・年収が1000万円以上あること。
・民間医療保険に加入して日本滞在中の怪我や病気に適用されること。
・査証免除国・地域の国籍者等であること。

このように、政府がデジタルノマド優遇策を出す背景には、コロナ禍以降、世界でリモートワーク人材の誘致合戦が過熱していることがある。どの国に住んでも安定収入の基盤を持つリモートワーカーは、自国の雇用を奪う懸念がなく、経済的にも裕福な層になるため、滞在国での消費やレジャーに対しても積極的である。少子高齢化が進み、国内需要が縮小していく中で、国際リモートワーカーの誘致には、新たな経済効果を期待できるためだ。

《デジタルノマドの収入形態》

従来のインバウンド市場は中国人旅行者を中心に形成されているのに対して、デジタルノマドの市場は欧米人を中心に形成されていく可能性が高い。既に欧州では、デジタルノマドビザを発行する国が増えており、ノマドワーカーの誘致合戦が展開されている。日本もその中に参戦していくことになるが、デジタルノマド人材とは、どんな人達であるのかを詳しく見ていきたい。

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JNEWS会員レポートの主な項目
・高年収を稼ぐデジタルノマド人材の属性
・ノマドワーカーが旅する人気国の特徴
・各国がノマドワーカーを誘致する理由について
・ノマドワーカー向け新規事業開発の視点
・デジタルノマド向け保険の開発市場
・デジタルノマド向け賃貸アパート投資の採算
・デジタルノマドが形成する新文化と働き方
・デジタルノマドの身分認証市場
・中国アウトバウンド旅行者が求める目的と価値観の変化
・出張とレジャーを兼ねたブレジャートラベラーの開拓

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