睡眠不足を解消する目的で、昼寝に対する需要は高まっていることから、昼寝スペースをレンタルする「昼寝サロン」の店舗が注目されている。ただし、そこには大きく2つの問題点が存在している(JNEWSについて
昼寝スペースをレンタルするビジネスの採算と利用特性

JNEWS
JNEWS会員配信日 2014/9/30

 日本でも睡眠不足を解消する目的で、仕事中の昼寝に対する需要は高まっていることから、「昼寝サロン」という新業態の店舗が注目されている。オフィス街や繁華街の空き店舗に入居して、30分~1時間につき 500~1000円程度で、仮眠ができるスペースを提供するサービスである。

オープン時の設備投資は、飲食店などよりも安く済むことから、新たな事業テーマとしても注目されているが、この新業態には大きく2つの問題点がある。

一つは、法規制の問題で、旅館業法の中では「料金を受けて人を宿泊させる営業」については、宿泊に適した施設・設備の基準をクリアーした上で、都道府県の営業許可を受ける必要がある。法律の中で「宿泊」とは、ベッド、布団、枕、毛布などの寝具を利用して施設を利用すること、と定義されているため、日中の昼寝でも、ベッドや布団を提供すると、規制の対象になる可能性が高い。

もう一つは、ネットカフェやビジネスホテルと競合する問題だ。昼寝サロンとネットカフェの客単価は、ほとんど同水準(約1千円/時)とみることができ、2時間の利用ならば2千円。それよりも高くすると、安価なビジネスホテルと競合するようになり、昼寝サロンの魅力が薄れてしまう。そのため、昼寝サロンが独自の営業をしていくには、これまでの施設には無い、特徴や収益構造を打ち立てていくことが重要だ。

米ニューヨークでは、昼寝サロンが2007年頃から開業して人気となっていた。昼寝のスペースを貸すだけではなく、マッサージやスキンケアなど、各種のリラクゼーションサービスをセットにしているのが特徴。

料金は、1分あたり1ドルで、昼寝用に最適化されたリクライニング式のチェアを利用できるが、血液やリンパ系の循環を高めるマッサージ(1分あたり 2.4ドル)や、頭皮マッサージ(15分で36ドル)、スキンケア(1分 2.5ドル)などを組み合わせることで、入眠までのサポートをしている。そのため、同店の収益は昼寝のスペース貸しよりも、各種マッサージのほうが主体になっていた。ただし、その後は利用者が減少して、閉店する業者が相次いだ。

【オフィス・旅行者向け仮眠サロン】

「EnergyPod(エナジーポッド)」という仮眠ブースを開発するメトロナップ社でも、当初は、フランチャイズ方式により、昼寝サロンを各地に出店させていくビジネスモデルを計画していた。

米国では、仮眠用のスペース(個室)を有料で提供するに、ホテル業の認可を取得する必要があるが、エナジーポッドは“個室”ではなく、半カプセル型のソファーでプライバシーが確保された空間であるため、許認可無しで、有料の仮眠スペースとして設置できるのもウリである。


ところが、テストマーケティングを続ける中で、数十分程度の昼寝をしたい人は、わざわざ移動時間を費やしてまで、昼寝のスペースを求めるのではなく、もっと身近な場所(勤務中ならばオフィス内)で仮眠したいと考えている。そこで、昼寝サロンの出店ではなく、企業のオフィスにエナジーポッドをレンタルするビジネスモデルへと路線変更している。

ただし、空港や駅のように、旅行者の多い公共スペースでは、昼寝サロンの運営が成立している。旅行者向け仮眠スペースを専門に提供するMinute Suite社(ミニッツ・スイート)では、米国内にある国際空港に、ベッドとして使えるソファー、毛布、テレビ、インターネットが完備されたユニット型の個室ブースを設置して、1時間38.00ドル、15分あたり9.50ドルの設定でレンタルしている。この仮眠ブースは、旅行者の他に、航空会社のパイロットや従業員からも利用されている。勤務時間が不規則な職場では、従業員の睡眠不足が重大事故を起こす原因となることから、仮眠ができるスペースの整備は、安全対策としても重要な課題になっている。

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JNEWS会員レポートの主な項目
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・企業向け昼寝ポッドのレンタルビジネス
・昼寝サロンは儲かる商売か?採算と問題点
・旅行者向け仮眠サロンの可能性
・体内時計からみたシエスタ制度の是非
・シフトワーカー向け勤務管理ソフトへの需要
・高ストレスのメカニズムを読み解くメンタルヘルス対策市場
・世界で異なる時間習慣とビジネスパートナーとの交流スタイル
・早起き人口に向けた早朝ビジネスの商機
・労働時間をプールして自由に引き出せる時間貯蓄の働き方

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