性格がポジティブかネガティブなのかをDNAレベルで究明する研究は進められ、セレトニントランスポーターという遺伝子が関係していることがわかっている。日本人の97%は不安を感じやすい内向的な気質を持っている(JNEWSについて
遺伝子レベルで解明されるストレスに強い人・弱い人の特性

 どれだけのストレス量に耐えられるのかは、その人の性格や体質によっても異なるため、「ストレスに強い人間になれ」と上司が叱咤激励することは、パワハラにも繋がってしまう。

ストレスに強いことばかりが決して良いというわけではなく、ストレスに敏感な人の中には、真面目で誠実、一つのテーマに深く取り組むタイプが多い。特に、日本人は、繊細な性格を強みにして、世界をリードする高度な技術を次々と生み出してきた。

性格のタイプとして、「ポジティブ」と「ネガティブ」という区別をすれば、日本人は圧倒的にネガティブなタイプが多いことが、遺伝子の各種研究からも明かになってきている。

精神の安定や心の安らぎには、「セロトニン」という脳内物質が関与していることが知られている。その分泌量を調節しているのが「セレトニントランスポーター」という遺伝子で、SS型、SL型、LL型の3種類がある。LL型の遺伝子を持つ人は、最も性格がおおらかで楽天的、逆にSS型の人は不安を感じやすく、うつ病の発症リスクが高いことが判明している。

《遺伝子タイプによる不安の感じやすさ》

欧米人と比べてアジア人は、ポジティブな性格のLL型遺伝子を持つ人の割合が少なく、その中でも、日本人はLL型の遺伝子を持つ者が、全体の3%しかいない。逆に、ネガティブな性格のSS型遺伝子を持つ者の割合が、世界で最も高い民族だ。

アジアは、高温多湿で伝染病の感染リスクが高い地域であることから、ヒトの体が外敵のストレスに対して敏感になる遺伝子が組み込まれるようになった、という説もある。

《日米で比較したセロトニントランスポーター遺伝子タイプ》


セロトニントランスポーターの遺伝子タイプは、簡単な検査によって調べることが可能で、メンタルヘルス対策としても活用されはじめている。ただし、人の性格を形成する要素として、遺伝子の役割は1/3程度で、残りの2/3は、それ以外の項目が関係しているとも言われており、遺伝子の型だけで、性格を判断することはできない。

また、別の研究では、不安を感じやすい人ほど、グループ内での調和や規律を保つことで、外部の危険から、自分を守ろうとする傾向があることも報告されている。これをサラリーマンの立場に置き換えると、ストレスを溜め込みやすい人ほど、じつは「会社組織の中に留まることを望んでいる」とみることもできる。

【意識とは異なるストレスの正体と男女の差】

 現代人が抱えるストレスの主な要因は「仕事」と捉えられることが多いが、その常識を覆す、研究結果も報告されている。

ペンシルベニア州立大学の研究チームは、子育てをしながら働く男性と女性の122人から、口の中の唾液を1日3回採取して、コルチゾールという分泌物の濃度を測定した。コルチゾールは、体が過剰なストレスを感じるほど多量に分泌されるため、「ストレスホルモン」と呼ばれている。

その結果は意外にも、男女共に、自宅にいる時よりも、会社で仕事をしている時間帯のほうが、ストレスホルモンの濃度は低いことがわかった。「仕事がストレスの主な要因」してきた通説とは矛盾した結果である。

それでもヒアリングでは、男性は心理的に「職場よりも自宅のほうが幸せを感じられる」と回答しているのに対して、女性は「職場で仕事をしているほうが幸せ」だと、意識の面でも仕事への満足度が高い。これは、男性よりも女性のほうが、家事や子育ての負担が重くて、家庭に引き籠もるほど、ストレスが蓄積しやすいためとみられている。

同大学の以前の研究でも、20代~30代にかけてフルタイムで働いてきた女性(母親)は、パートタイムで働く女性や専業主婦と比べて、45歳の時点で心身共に健康であることが報告されている。

■参考:Really? Work lowers people stress levels

こうした研究結果を踏まえると、近年、社会に出て働きたい女性が増えているのは、家庭内のストレスを解消したいという心理が関係していそうだ。仕事に対するストレス耐性は、男性よりも女性のほうが高いという見方もでき、企業が女性を戦力として登用することの利点は大きい。

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JNEWS LETTER 2014.5.30
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